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新着情報

2021/06/05 11:04


新たな店舗のコンセプト

  「麹菌が浮遊する洞窟の中の醸成庫」


遥か昔より日本の歴史と共にある発酵文化。
人類は、一定した温度と湿度の安定した洞窟で保存食を口にしながら暮らしを営んでいたそうな。どっしりとした洞窟の中で、さまざまなカタチの銅のキューブは菌が浮遊しているような、この世界にある目には見えない小さな微生物たちの、大きなエネルギーを感じるような空間をイメージしました。

エントランス部分はその場にいると昔、懐かしい古に。そして、まだ見ぬ未来へと時空を越え、タイムスリップ。

まるで宇宙・自然の中で浮遊する麹菌になったかのような気にさせます。

床・壁・天井のモルタルで覆われた真っ暗な空間に光り輝くキューブが、宙に浮いている様は真っ暗な洞窟とその洞窟から放たれる光の塊を彷彿させます。


空間の中の割付けは、洞窟と捉える空間の開口比率が1:2の近似値だった為、壁は縦横共に7分割でモデュール構成をし、どこか懐かしい日本の古き良き建築物の中で感じる佇まいをひっそりと表現しました。バックヤードへの扉はモデュール毎に目地を入れた、一見、出入り口がない隠し扉のような空間に感じるよう配慮しています。

ライティングについて、商品はもちろん、お客様に商品を手渡す際に壁に浮かぶ銅板のキューブの中に立ったスタッフへ、自然と誘導的に目がいくように工夫しています。


日没後の夜には自然光の光とはまた違った表情を浮かび上がらせます。

銅でできたクラフト感のあるキューブは植栽のカバーやベンチ、ペンダントライトと統一し、発酵のもとになる麹菌をダイナミックに表現しています。


このあらゆる銅の仕上げは、工芸品作家や精密機械が作り出す様な決め細かさは無いが、熟練の板金職人の手によって、クラフト感を出し、全体的に緊張感のある中にも、どことなく手仕事での優しさと丁寧さを兼ね備えた表現をしています。

訪れる人々が、神代の昔へタイムスリップしたような空間にホッと一息ついていただき、この空間と共に経年変化を楽しみ醸していくことを願います。 




基本設計|arbol 堤庸策
実施設計・現場監理|arbol 堤庸策・株式会社大喜建設
照明|大光電機株式会社 花井架津彦
施工|株式会社大喜建設
植栽|株式会社安積創庭
撮影|下村康典